【 ~にして 】 JLPT N1の文法の解説と教え方
レポートに挿入するデータが準備できていない…
データを抜きにしては、レポートが完成しないなぁ。
昼休みぐらい休んだら?
食事を抜きにしては、いい仕事なんかできないんだから。
焦るのも理解できるけど…
まだ時間はあるから食事に行かない?
さあ、みんなで食事に行こう!!
昼のメニューなんだが、多数決で意見が二つに割れていて、
君の意見抜きでは何を食べるかも決まらないんだ。
これはの表現は「2面性がある」と言いたいときに使い、
「歌手にして、作家でもある」
というように身分を表して並列で使う用法と、
「彼の字は大胆にして、繊細である」
というように逆説的に使う用法があります。
硬い表現なので書き言葉としてよく使われます。
~にして
(社長の椅子に座って働いている人の絵、同じ人物がテレビで経済について話している絵を貼る)
彼は経済の研究をしていたことがあり、
経済についてとても詳しいので、
自分の会社を上手に成功させました。
ときどきテレビにも経済の評論家として出演しています。
彼は経営者にして経済評論家でもあります。
(部長の椅子に座っている人の絵を貼る。同じ人物がパソコンで投資活動をしている絵を貼る)
会社へ行く前、昼休み、仕事が終わったあとは投資活動に時間を使っています。
彼はある企業の部長にして投資家でもあります。
(事務所で働いている会社員の絵を貼る)
彼は休みの日や仕事が終わってから、いつもゲームをします。
そしてゲームをしている動画をユーチューブにアップロードしています。
彼はサラリーマンにしてユーチューバーでもあります。
「~にして」は「2つの面がある」ときに使います。
身分などについていうときに「~でもある」と一緒によく使いますよ。
それから、「2つの反対の要素が混ざっている」ときにも使えますよ。
今度はこちらの使い方を練習します。
(風景が描かれたたくさんの絵画作品を見せる)
どうですか?
とてもたくさん色があって綺麗です。
私はとても勢いがあると思います。
迫力があります。
私も絵画についてはあまり詳しくないんですが、
絵画の評論家の話では、
この画家の筆遣いは、大胆でもあるし、反対に繊細でもあるそうです。
「~にして」を使って接続できます。
(画家が絵を描いている絵と、同一人物が医者として働いている絵を貼る)
「~にして」を使ってどう言いますか?
これは「2つの面」があるときの使い方ですね。
(女の人が描かれた絵を見せる)
最初に見た作品は全部風景画でしたね。
この作品は彼の奥さんがなくなったときに描かれました。
これは彼が一番最初に人物を描いた絵です。
そして、人物の絵はこれしかないので、
これが最後の人物を描いた絵です。
どう言いますか?
彼は経営者にして経済評論家でもある。
彼はある企業の部長にして投資家でもある。
彼はサラリーマンにしてユーチューバーでもあります。
この画家の筆遣いは大胆にして繊細でもあります。
彼は医師にして画家でもあった。
彼が人物画を描いたのは、あれが最初にして最後だった。
練習
① 彼女は( )にして( )でもある。
② 彼の作品はどれも( )にして( )という特徴がある。
③ 彼の話し方は( )にして( )なので人気がある。
④ ( )のは最初にして最後だった。
⑤ ( )だが、実に単純にして難解である。
⑥ この価格にしてこの味、きっと( )売れるに違いない。
⑦ あの人は成績優秀にしてスポーツ万能、( )。
⑧ あの音楽は壮大にして繊細で、( )。