みんなの日本語の教案と教材【第24課】「くれます」「~てあげます」の教え方
この課は「て形」だから簡単かな?
まず、「くれます。」だ。
これは他の言語にはあまりない使い方をする言葉だから、混乱する学生がいるぞ。
「わたしは」「わたしに」が省略されるパターンは誰が主語かわからなくなるわね。
それから「助詞」も動詞によってころころ変わるから要注意ね…
友だちが私のかばんを持ってくれました。
Aさんは私をBさんに紹介してくれました。
これね。
「人を…」はよく間違えるわね。
【くれます】を使った表現が使える
人から受けた親切な行為を説明できる
人は(私に)くれます
「くれます」の導入の前に「あげます」「もらいます」について復習
(ホワイトボードに2人の人が物のあげもらい(双方向の矢印)をしている絵を描く)
教師 私は友達に花をあげました。 私は友達にかばんをもらいました。 友達は私に・・・ 友達はわたしにかばんをあげました。 学生さん 教師 友達は私にかばんをくれました。 です。 「他の人は私にあげます」の「あげます」は「くれます」を使います。 (ホワイトボードに他の人物を書いて、(私)へ向いた矢印を書く) 教師 友達は私に… 父は私に… 母は私に… 友達は私にシャツをくれました。 父は私に時計をくれました。 母は私にお金をくれました。 学生さん |
第三者間でのあげもらいでは「くれます」を使わないことを説明する。
「もらいます」は、私が主語、「くれます」は他の人が主語になることを確認する。
フラッシュカードやQ&Aで練習
人がくれます
(自分の時計を指して)
教師 この時計は私の誕生日のプレゼントです。 この時計は妻がくれました。 (学生の荷物を指して) 教師 Aさん、その時計は誰がくれましたか。 この時計は兄がくれました。 学生さん |
実際の学生の持ち物で練習(買ったものなのか、もらったものなのかの区別が難しいが…)
絵カードで練習
わたし は ともだち に はな を あげました。
わたし は ともだち に かばん を もらいました。
ともだち は わたし に かばん を くれました。
ともだち は わたし に はな を もらいました。・・・✖
さのさん は やまださん に ほん を あげました。
さのさん は やまださん に ほん を くれました。・・・✖
やまださん は さのさん に ほん を もらいました。
Q:だれ が その本 を くれましたか。
A:ちち が くれました。
Q:その ネクタイ すてきですね。
A:かのじょ が くれました。
~てあげます
「~てあげます」は直接本人に言うと、恩着せがましく聞こえます。
また、目上の人にしたことについて言うときにも使いません。
第3者への説明で使うことがよくあることに注意して導入練習を進めていきましょう。
(ホワイトボードに道がわからなくて困っている人の絵を描く)
道がわからないおばあさんを見ました。
「おばあさん、私が道を教えましょうか?」
私はおばあさんに道を教えてあげました。
(ホワイトボードに荷物をたくさん持っている人の絵を描く)
「Aさん、荷物を半分持ちましょうか」
私はAさんの荷物を半分持ってあげました。
「Aさんに」の助詞の「に」は、 所有の助詞「の」に変わって「Aさんの」になることを説明する。
絵カードで練習
色々な状況を与えて練習
(わたし は)おばあさん に みち を おしえてあげました。
(わたし は)Aさん の にもつ を もってあげました。
(わたし は)ともだち を くるま で おくってあげました。
練習
友だちが困っています、何をしてあげますか?
①とても寒いです。
②時計が動きません。
③辞書を持ってきませんでした。
④荷物がとても重いです。
⑤雨が降っていますが、私は傘がありません。
⑥自動車が故障しました。
⑦とてものどが渇きました。
⑧今日の宿題がわかりません。
⑨頭が痛いです。
⑩銀行の生き方がわかりません。