みんなの日本語の教案と教材【第49課】「尊敬語」の教え方

残り2課…


覚えた後はどれだけアウトプットをして慣れさせるかが肝よ。
発話練習を多めにして、敬語表現に慣れさせるの…
日本には「ウチ」と「ソト」の概念がある、
そういったものも説明しながら進めていくんだ!!


「人間関係に基づいた表現を使って会話ができる」
~(ら)れます (受身形と同じ形)
(ホワイトボードに同僚との会話、上司との会話の絵を描く)

もう昼ご飯を食べましたか。
部長と話します。
もう昼ご飯を食べられましたか。
一人二役で…
![]() 教師 田中さん、このレポートを読みましたか。 はい、読みました。 ![]() 教師 ![]() 教師 田中さん、部長はもうこのレポートを読まれましたか。 はい、部長もこのレポートをもう読まれました。 ![]() 教師 |
尊敬語は自分の行動ではなく、誰かの行動に対して使うことを確認。
受身形と同じ形で尊敬表現になることを確認
「できます」「わかります」などはこの形が作れないことを説明する。
口頭、フラッシュカードで練習
尊敬語①
のみます たべます します
のまれます たべられます されます (受身形と同じ)
※わかります/できますはダメ!!
部長はもう昼ご飯を食べられましたか。
部長はこのレポートを読まれましたか。
練習
例 かちょうは もう(帰りました。→帰られました。)
① 先生はたばこをすいません。 →
② 何を食べますか。→
③ しゅうまつは どこへいきますか。→
④ どこでそのネクタイを買いましたか。→
⑤ いつおくさんとけっこんしたんですか。→
⑥ 毎晩 おさけを 飲んでいますか。→
⑦ 日本のけいざいについてどうおもいますか。 →
⑧ こんどの れんきゅうは 何をするよていですか。 →
お + ~になります
(先ほどの絵を使って…)

もう昼ごはんをお食べになりましたか。
部長もこのレポートをお読みになりました。
です。
「できます」「わかります」はこの形で尊敬語に出きることを説明する。
グループⅢ、「います」「みます」「ねます」など「ます」の前が1音の場合はこの形が使えないことを説明する。
口頭、フラッシュカードで練習
尊敬語②
お + ~ます + になります。
部長はもう昼ご飯を お食べになりましたか。
部長はこのレポートを お読みになりましたか。
社長はテニスが おできになります。
※ 見ます → お見になります
います → おいになります はダメ!!
練習
例 かちょうは もう(帰りました。→ お帰りになりました。)
① 先生はたばこをすいません。 →
② 何を食べますか。→
③ この新聞を読みますか。→
④ どこでそのネクタイを買いましたか。→
⑤ どこで おくさんと会いましたか。→
⑥ どの メニューを えらびますか。→
⑦ 日本のけいざいについてどうおもいますか。 →
⑧ ふじさんに 登ったことが ありますか。 →
特別な尊敬語
(特別な尊敬語のリストを配る)
(先ほどのホワイトボードの板書を使って)

もう、昼ご飯を召し上がりましたか。
部長はもうこのレポートをご覧になりました。
です。
自由にパターンを使い分けて会話練習。
尊敬語③
部長はもう昼ご飯を めしあがりましたか。
部長はこのレポートを ごらんになりましたか。
練習
例 かちょうは どこへ (行きましたか。 → いらっしゃいましたか。)
① きのう なにを しましたか。 →
② けさ 何を食べましたか。→
③ この新聞を読みますか。→
④ だれに そのネクタイを もらいましたか。→
⑤ 田中さんを しっていますか。→
⑥ らいしゅう IMCの まつもと ぶちょうに あいます。→
⑦ なにを のみますか。 →
⑧ かちょうは どこに いますか。 →
接頭辞
(ホワイトボードに今まで学習した「お」がつく言葉を書いていく)
国 → お国 / 名前 → お名前 / 仕事 → お仕事

自分のことには使いません。「私のお名前は~です。」は変です。

家族 → ご家族
両親 → ご両親
などです。
接頭辞のリストを渡す
「お」は最初から日本にあった言葉(漢字の訓読みの言葉)
「ご」は中国から伝わった言葉(漢字の音読み)
の言葉に基本的には使われる。(一部例外はあるが)
お/ご ~ください
(自分より目上の人にいすを勧めている絵を描く)
![]() 教師 何と言いますか。 いすに座ってください。 ![]() 学生さん ![]() 教師 あまり丁寧じゃありません。こう言います。 どうぞ、いすにおかけください。 (コーヒーを勧めている絵を描く) ![]() 教師 何と言いますか。 どうぞ、飲んでください。 ![]() 学生さん ![]() 教師 どうぞ、お飲みください。 ![]() 教師 部屋に入るとき、このスリッパを使ってほしいです。何と言いますか。 このスリッパをお使いください。 ![]() 学生さん ![]() 教師 はい、「使います」もいいですが、「利用します」もいいです。 「利用します」の場合、何と言いますか。 どうぞ、お利用ください。 ![]() 学生さん ![]() 教師 いいえ、「ご利用ください」です。 グループⅢの言葉(カタカナはダメ)は「ご」になります。 ![]() 教師 連絡しますは、どうですか。 ご連絡ください。 ![]() 学生さん |
お + ~ます + ください
どうぞ、このいすに おかけください。
どうぞ、コーヒーを お飲みください。
どうぞ、このスリッパを ごりようください。
※ みます → お見ください
ねます → お寝ください はダメ!!
※ コピーします → ごコピーください。
キャンセルします → ごキャンセルください はダメ!!
練習
例 この かさを つかいます。 → この かさを おつかいください。
① この カタログを 読みます。 →
② うけつけで きにゅうします。 →
③ この中から えらびます。 →
④ この いすに すわります。 →
⑤ かかりの ものに そうだんします。 →
⑥ あしもとに きをつけます。 →
⑦ この ドアから はいります。 →
⑧ つぎの パーティーにも しゅっせきします。 →

つぎは「謙譲語」よ。


敬語では会話ができないわね。
他の課の導入や練習はここからみてください!!